「アポロンの島」小川国夫著

こちらの本、幾つもの短編が入ってますが、「オートバイ」や「単車」が
頻繁に出て来ます。「ベスパ」や「スクーター」は出て来ません。ツーリ
グしてる場所は欧州各国です。

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その「オートバイ」はトランクが有るのですが、その中身を確認するには
荷台の振り分けバックを外す必要が有ったり、ガス欠で停まって通りすが
りの車からガソリンを分けて貰うと、混合用のオイルを気にする必要があり
ます。シリンダー下にドロが溜まってしまったり、バッテリーが無いので峠の下
りではライトが暗く苦労してたり、始動にペダルを踏んでもエンジンが掛
からなかったり、豆の爆ぜる音が聞こえたりもします。エンジンが掛からないとプラグを外して火花を確認、さらには発電機側コ
イルの配線を確認したり…します。著者の小川国夫氏は1953年にフランスのソルボンヌ大学に留学、1954年
から56年に掛けて欧州各地や北アフリカをベスパで旅行し(56年の春には
事故で大怪我も)てます。

 

年式から考えますとフェンダーライトでは無いでしょうか?。この頃にベス
パで欧州各国を旅行してる日本人がいたって事に驚きました。
2025/11/10 追記
小川氏が購入したベスパは個人売買でした。
1954年に柳宗玄氏がパリの日本人学生が出入りしてる日本館
玄関に”売りたし”の張り紙をし、それを見た小川氏が購入とな
ります。小川氏は1956年7月に日本に戻ります。
 
https://ja.wikipedia.org/wiki/柳宗玄
 
小川国夫作品集 第4巻
またこの大旅行については小川氏の記録から澤本行央氏が風信(4)1994(6)風信舎 [編] (風信舎, 1997-09)にて詳細に追ってます。
 
ところで、このベスパはその後に野見山暁治氏に3万円で譲ら
れたそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/野見山暁治